先日、「全豪インへの道」という記事を書いたのですが、「全豪ダイレクトイン」としなかったのは、もうひとつ本戦入りする方法があるからです。
そう、本戦ワイルドカードです。
今日はそれについて書くことにします。
全豪オープンは、ワイルドカード8枚を毎年このように振り分けています。
地元選手4名
地元選手によるワイルドカードプレイオフ勝者 1名
アジアテニス連盟(ATF)枠 1名
フランステニス協会(FFT)枠 1名
アメリカテニス協会(USTA)枠 1名
このアジアテニス連盟枠というのが重要なのです!
加盟国は、デ杯でアジア・オセアニアエリアに所属する国で、もちろん日本も当てはまっており、他のグランドスラムと比べて日本人選手にワイルドカードが与えられるチャンスがあるということになります。
添田くんは2006年にこの選考試合と言えるアジア選手権で優勝して2007年の全豪ワイルドカードを獲得しましたが、現在はその方式を取っておらず、近年は、本戦ダイレクトインできなかったランキングの一番高い選手に機械的に与える傾向にあるようです。
2011年はデバーマン(エントリー当時108位)、2010年はゴルベフ(エントリー当時133位)、2009年はイストミン(エントリー当時105位)となっていて、2010年のゴルベフだけ例外なのですが(故障明けであったことが予想されます)、それ以外のふたりは本戦インできなかったアジアの最上位選手。
ということで、本戦インが難しいライン106位辺りから上位へのジャンプアップの可能性が残されている150位位までにどれだけアジアの選手がいるかというと、
118 Soeda, Go (JPN) 486
121 Ito, Tatsuma (JPN) 474
145 Golubev, Andrey (KAZ) 366
わずかこの3人です。
ここで添田くんの話になるのですが、添田くんが今季失うポイントは去年の豊田チャレンジャーベスト4での29ポイントのみ。つまり、今季残りの大会で1度でもチャレンジャーでベスト4に入れれば今のポイントを防衛することができます。ポイントで拮抗している伊藤竜馬選手は、今季の残るATP大会は豊田だけですが、去年の豊田で優勝しており、仮に今年も優勝したとしても、ポイントを上乗せることができません。ゴルベフは今季の出場はもうありません。
つまり、添田くんが明日勝てば、今季ふたりよりも高いランキングでフィニッシュすることが決定するのです。
ちなみに、現在ダイレクトイン圏内にいる選手でトップ100位陥落の可能性がある選手もいません。
つまり、来年分で選考基準が変わるとしたら分かりませんが、100位台の中でアジア選手の最高位に付けることでワイルドカード獲得に向けて有利な立場になれることは間違いありません。そして、それはひとつでも順位を上にすることでより高まるのではないかと思います。
もちろん、選手本人がダイレクトインを目指している以上、ファンとしてもそれを応援したいし、先のことよりもまずは1戦1戦の勝利なのですが、まぁ、明日の試合はそういう重要な意味合いを持っているということを書いておきたかったのです。
ということで、明日のラフバラチャレンジャー準々決勝は、Peter Torebko(270位/ドイツ)と対戦することが決まっています。
現在270位ですが、今年7月以降だけでもフューチャーズの決勝進出が6回、ツアーも2度予選を勝ち上がっており、ランクを右肩上がりに上昇させている選手。要注意と言えると思います。
最近のコメント