久しぶりにポイントの話。

決勝前日というこのタイミングではありますが、今シーズンもあと1ヶ月。
この時期になると気になるのは来年の全豪オープンです。

添田くんのランキングは現在129位。今年2月以降ほとんどポイントを獲得できず、一時150位台まで下げてしまったランキングですが、少しずつ戻ってきました!
本人がどういう心持ちで戦っているかは分かりませんが、シーズン終盤にかけてようやく上り調子を迎えている絶好のタイミング、現在のポジションを考えるとやはり本戦ダイレクトインを期待せずにはおれません。
そして、今、どういう状況に置かれながら戦っているのかということが少しでも分かることは、ファンにとっては応援のテンションを上げていく助けになるかもしれない。

ということで、久しぶりにポイントの話です。


今後待ち構える失効ポイント

以下は、今シーズンの残りに待ち構える失効ポイントです。

(1) 2015.10.12 ATP World Tour Masters 1000 Shanghai 予選突破R64 35P 失効日2016.10.17
(2) 2015.11.16 Yokohama CH F 48P 失効日2016.11.21
(3) 2015.11.09 Kobe CH QF 17P 失効日2016.11.14
(4) 2015.11.23 Toyota CH R16 6P 失効日2016.11.28(現状ランキング対象の18大会外)

以上、106ポイントが失効します。
去年の慶應チャレンジャー準優勝の48ポイント失効 (2) が大きな山となりますが、それ以外はさほど大きな失効がなく、基本的には目下、ランキングの上げ時ではないかと思います。

ただ、ここから全豪本戦ダイレクトインのボーダーラインとなる105位あたりまで上げるとなると、ランキングだけを見ると20位とちょっとなんですが、以前と比べるとポイントが高い。
現在105位選手のポイント(580P)を基準にすると、失効分を補ってなお上げるためには1ヶ月という短期間で一気に220ポイント近く稼がねばならず、高いハードルであることは間違いありません。


全豪本戦ダイレクトインのために必要なポイント

・・・が、ここで書いた220ポイントという数字、実は今週のホーチミンCHで獲得するポイントを含んでいないんです。
なぜならこれから変わるから!(笑) この記事を書き始めたのは準決勝の前なんですが、実際勝利して獲得ポイントも増えました。
ホーチミンCHは、$50,000+Hの大会なので、優勝90P/準優勝55P となりますが、明後日失効する去年の上海マスターズ予選突破の35P (1)はすでにディフェンドできており、ここからさらにどれだけ上積みできるかによって今後の難易度が全く変わってくる訳です。

ということで、今週獲得するポイントごとに見て行きます。

明日負けて準優勝:55P獲得 今後165Pほど必要
明日勝って優勝:90P 今後130Pほど必要

このように全然変わります!
(今日もし敗れていたら今後185Pほど必要となってしまっていたので、それこそ限りなく無理ゲー(笑) 今日の勝利だけで状況が随分変わったことが分かります)

来週以降出場する大会は以下、最大4大会。

10月17日週 寧波(中国)$125,000:
 ポイント内訳 W 110 F 65 SF 40 QF 20 2R 9
10月31日週 フワヒン(タイ)$125,000:
 ポイント内訳 W 110 F 65 SF 40 QF 20 2R 9
(以下2大会はまだエントリーを締切っていませんが、日本国内なのでまず出場するだろうと仮定)
11月7日週 兵庫(日本)$50,000+H:
 ポイント内訳 W 90P F 55P SF 33P QF 17 2R 8
11月14日週 豊田(日本)$50,000+H:
 ポイント内訳 W 90P F 55P SF 33P QF 17 2R 8
 ※例年この時期にあった慶應チャレンジャーは春に移動し来年以降開催されます

ポイント内訳が2種類に分かれるので、イメージしやすいようにポイント効率の悪い日本の2大会から優先してポイントを抽出する前提で計算していくと・・・

2大会で優勝すると180P
1大会で優勝し残り3大会ベスト4で203P/1大会で優勝し残り3大会ベスト8で147P
3大会で準優勝すると175P
2大会で準優勝すると110P
1大会で準優勝し残り3大会ベスト4で168P/1大会で準優勝し残り3大会ベスト8で112P
4大会すべてベスト4で146P
2大会ベスト4&2大会ベスト8で106P
4大会すべてベスト8で74P

全部の可能性について挙げるときりがないのでとりあえずはこれぐらいにしておきますが、大会ごとの結果で全豪本戦ダイレクトインに届くのか/届かないのかの目安にはなると思います。
いずれにしても、ある程度以上の結果を残すことは最低条件となり、決して可能性が高いとは言えないのが現実ではあります。


結論!

ただ、繰り返し強調しますが、明日優勝することがその可能性を広げてくれることは間違いない。

年齢的なことも考えるとテニスの調子や体調・疲労といった波が出てくるのは避けられないだろうし、どの大会でも安定してある程度勝ち星を挙げるというのは、以前と比べて難しくなっていると思います。
それよりも、どこかの大会で爆発ができて、その上で取れる試合をしっかり取っていく方が現実的です。

だからこそ、明日はここまで来たら絶対勝ちたい!!!!!



・・・ということで、まだ今週のポイントが確定していない時点で書けるのはこのぐらいですね。。

明日の結果を踏まえて、時間に余裕があれば修正を入れていきたいと思います。


上海CH 2回戦敗退/6年振りにデ杯メンバーから外れたこと

昨日行われた上海チャレンジャー2回戦は3-6 2-6で敗退しました。

1回戦はことごとく決まっていたライン際のボールが余り入らず、一方で相手の粘りが驚異的でブレイクポイントもほとんどしのがれてしまい、徐々に集中力が切れてしまったようななかなか厳しい試合になってしまいました。

時々ある本当に酷い試合ほどの目に見えての悪さはなかったと思いますが、対抗シードが先に敗れていたのでちょっともったいない大会になってしまいましたね。。
この遠征は越智コーチも付いてくれているし、添田くんは遠征後半で調子が上がっていくタイプの選手だと思うので、ここから期待したいと思います!





そして、ご存じの方も多いと思いますが、先日デビスカップワールドグループプレイオフのメンバーが発表され、予想通り添田くんはメンバーから外れました。
錦織選手、ダニエル選手、西岡選手、内山選手というフレッシュな布陣になります。

>>デビスカップ公式サイト プレビューページ(英語です)


メンバー入りしながら体調不良で全く出場ができなかった去年のワールドグループ2回戦のチェコ戦を除くと、メンバーにさえ入らなかったのはアジア・オセアニアグループI時代の2009年5月ウズベキスタン戦までさかのぼらなければなりません。この時期は心身不調に陥っていて、自らメンバー入りを辞退と伝えられています。
さらに言うと、本格的に日本チームメンバーとして戦い始めたのは2006年、21歳の時です。それ以来、そのウズベキスタン戦以外9年間ずーーーーーっとなんです。

その間、アジアゾーンのドサ回りだろうが現地入り直後の強行出場だろうが、そして時にはデ杯出場のために個人戦出場を見合わせて調整したり、何度も何度も心身を削がれる最終戦を託され、6年間、そうやって添田くんは日本チームに欠かせない選手としてずっと戦い続けてきました。
改めて書くと、それって本当にすごいことで、昨年のCommitment Award 受賞(詳しくはこちらを)はそりゃ当然でしょという感じです(笑)

Go Soeda (JPN) receives the Davis Cup Commitment Award supported by the Japanese teamCredit: Takeo Tanuma

Posted by Davis Cup on 2014年4月5日


今回のメンバー選考にはサーフェイスが大きく影響していると思われますが、実際ダニエル選手と西岡選手は急加速的に力を付けていることも事実で、来年以降、添田くんがメンバー入りするのかはなんとも分からないところがあります。
(ベテラン不要論が一部テニスファンの中にあることも知っています)

ただ、ここまで長きに渡ってシングルス選手としてチームの中心を担う選手がこの先日本チームに現れるかどうかは分かりません。
ファンとして、そのことは素直に誇りにしたいと思います。

デ杯メンバー入りは本人の希望だけでどうこうなるものではないですが、個人的には先が長いとは言えない残された現役生活をこれからは自分自身のための戦いに重きを置いてほしいところもある一方、チームに必要とされて本人がそれに応えたいのであればそれを応援しようと思います。


今回は、出ないなら出ないでしっかり個人戦で結果を出してもらおう!というところですが、まぁ今週はそうはいきませんでした。。
長い長いプロテニスシーズン。余り一喜一憂せずに応援したいと思います。


久しぶりにポイント計算をしてみた


ヒューストンから帰国後、次の遠征に備えて走りこみの合宿をしているようです!


ずっと前からそのことについて書こう書こうと思ってはいたのですが、実のところ、このブログに何を書いたらいいのか分からない状態が続いています。
もちろんすごく嬉しいことではありますが、今年になって添田くんが自身のSNSで積極的に情報を発信してくれているのも大きく影響していて、つまり、言うまでもなく本人発信の情報が何物以上に価値のあるものです。

そこに上がってこない周辺情報や試合の事前情報など、できる限り書きたいとは思うのですが、周辺情報なんてそうそうあるものではなく、スコアや多くの人も見ているであろうライブストリーミングを観たテニス初級の感想など書いたところで・・・というか。。

このブログも立ち上げからもうすぐ5周年を迎えようとしています。
この5年で添田くんのランキングに限らず、リアルタイムで追える試合の数も本当に多くなったりと色々なことが変わりました。本人の活躍を切に願いそれを追っていくのはもちろんですが、自分にとって、このブログに向かい続けるための新たなモチベーションとなるものを捜さないといけない時に来ているのかもしれません。



という訳でもありませんが、久しぶりにポイントの計算をしてみました。
ウィンブルドン本戦ダイレクトインに必要な条件を把握しておくためです。

エントリー情報のページに確認できたところまでを更新したのですが、ローランギャロスの本戦エントリーが月曜日に締め切られ、無事ダイレクトインできました!
ただ、去年の春のアジアチャレンジャーでの獲得ポイントが全体の2割以上に及ぶため、ウィンブルドンの本戦エントリー締め切りとなる5月18日までに仮にポイントが全く取れないと仮定すると、120位あたりまでランキングが急落し、予選からの戦いを強いられることになります。

そして、ローランギャロスのエントリーリストを見るとプロテクトランキング(故障明け選手への救済措置)でダイレクトインしている選手が5人といつもより多く、カットラインが99位といつもより少し上になっています。時期が近いウィンブルドンでもこの傾向は同様と思われます。


まだ大会エントリーが締め切りになっていないので予想も含まれますが、この5月18日までにポイント加算のチャンスは最大3大会。
そして、以下はウィンブルドンのエントリー締め切りまでに失効もしくはポイントの置き換え対象となりそうな大会です。

<1> Busan CH W 100 18.05.2015(失効日)
<2> Taipei CH S 33 04.05.2015
<3> Traralgon 2 CH R16 7 09.11.2015

去年は獲得ポイントが0の大会が多く、年間通してのポイント獲得大会数がランキング対象となる18大会に満たない時期が続いていました。勝った分だけランキングの上昇に繋げられたのですが、今季は初戦敗退した大会がこれまで1大会しかなく(すごくいいことですが)、18大会に0ポイントの大会がカウントされなくなっています。
つまり、1大会あたりの獲得ポイントが小さいと差し引きでほとんど上乗せにならないので、チャレンジャーだとある程度勝ちあがって差し引いた残りのポイントを大きくしないとランキングを上げることができないのです。

■4月13日付けランキング
ATPポイント597

■4月20日付けランキング
前週の大会エントリー/ポイント失効ともになく、ATPポイントは597のまま

■4月27日週
前週の大会エントリー/ポイント失効ともになく、ATPポイントは597のまま

台北チャレンジャー($75,000+H)に上から3番目のランキングでエントリー
この大会のポイント内訳⇒ 2R 8P/QF 18P/SF 35P/F 60P/W 100P

■5月4日週
上記<2>が失効するため、4月27日週の獲得したポイントとそのまま入れ替わる。
仮に台北ベスト16だったとすると572Pに/ベスト8で582Pに/ベスト4で599Pに/準優勝で624Pに/優勝で664Pなります。(1回戦負けの場合は18大会外に出ていたポイントが繰り上がりで入り571P)

釜山チャレンジャー($100,000+H)に上から3番目のランキングでエントリー
この大会のポイント内訳⇒ 2R 8P/QF 20P/SF 40P/F 65P/W 110P

■5月11日週
ソウルチャレンジャー(&50,000)にエントリーする可能性があります。
この大会のポイント内訳⇒ 2R 7P/QF 15P/SF 29P/F 48P/W 80P

■5月18日
ウィンブルドン本戦エントリー締め切り日

ここで<1>の100ポイントが失効します。タイミング含めてこれが余りにも大きすぎる・・・。

3大会あり、大会ごとの全ラウンドでのポイントを試算するのはかなり大変なので、大まかな目安を書いておきたいと思います。
3大会は同じチャレンジャーでも賞金グレードが違うため、ポイント内訳も異なります。目安を見るのが目的なので、ポイント効率の悪い ソウル>台北>釜山 の考え方で試算していきます。



●3大会全部ベスト8の場合
4/27付けの597P +台北QF 18P -33P(<2>失効) +釜山QF 20P -7P(<3>置換) +ソウルQF 15P -100P(<1>失効) = 510P
現ランキングにあてはめると110位あたりになり、カットラインのボーダーラインには及ばないと思われます。

●1大会ベスト4/2大会ベスト8の場合
4/27付けの597P +台北QF 18P -33P(<2>失効) +釜山QF 20P -7P(<3>置換) +ソウルSF 29P -100P(<1>失効) = 524P
現ランキングにあてはめると104位あたりになり、カットラインのまさにボーダーライン上といったところ。プロテクトランキング選手、欠場選手の有無の影響を大きく受けることになります。

●2大会ベスト4/1大会ベスト8 の場合
4/27付けの597P +台北SF 35P -33P(<2>失効) +釜山QF 20P -7P(<3>置換) +ソウルSF 29P -100P(<1>失効) = 541P
現ランキングにあてはめると100位付近になり、カットラインの上側になれると思われます。

●2大会ベスト4/1大会1回戦負け の場合
4/12付けの597P +台北SF 35P -33P(<2>失効) +釜山1R 0P +ソウルSF 29P -100P(<1>失効) = 528P
現ランキングにあてはめると104位あたりになり、カットラインのまさにボーダーライン上といったところ。プロテクトランキング選手、欠場選手の有無の影響を大きく受けることになります。

●1大会準優勝/1大会ベスト8/1大会1回戦敗退 の場合
4/12付けの597P +台北QF 18P -33P(<2>失効) +釜山1R 0P +ソウルF 48P -100P(<1>失効) = 530P
現ランキングにあてはめると103位あたりになり、カットラインのまさにボーダーライン上で、欠場選手が毎回ある程度出ることを考えるとギリギリダイレクトインできるのではないかと。。
つまり、1大会で決勝まで上がれば他2大会にかかる負担はかなり小さくなります。

●1大会優勝/2大会1回戦敗退 の場合
4/12付けの597P +台北1R 0P -33P(<2>失効) +釜山1R 0P -7P(<4>置換) +ソウルW 80P -100P(<1>失効) = 537P
現ランキングにあてはめると101位あたりになり、カットラインの上側になれると思われます。つまり、1大会で優勝できた時点でウィンブルドン本戦ダイレクトインはクリアと言えるでしょう。


ウィンブルドン本戦に入るための目安がなんとなく見えてきます。

目的は、添田くんが現在直近に控える目標を正しく見定めるためです。
次の遠征への出発まであと1週間ほど、ようやく本格的な春を迎えた日本でしっかり体を作ってまた頑張って欲しいと思います!


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