通常プロテニスはローランギャロス終了をもって前半戦終了という言い方をしますが、添田くんにとって今年の最大の目標はやはりオリンピックだったと思います。
それを終え、ここからが本当の意味での後半戦がスタートといえるでしょう。
現在は、次回遠征に向けて、ナショナルトレーニングセンターや早稲田大学で伊藤選手、守屋選手らと練習を行っているようです。
去年の鳥海チャレンジャー優勝ポイントの失効を受けて少しランクが下がり現在は55位ですが、先だってのアトランタベスト4を受けて、ランキングは一時47位に。
松岡修造氏によるかつての日本人歴代最高位46位まであとひとつし、添田くんにとっては初の50位突破です。
ランキング目標のひとつであった「50位突破」をついに果たしました!
この50位というのは、ひとつの大きな節目と言えるランキングで、チャレンジャーへの出場ができなくなることを指します。
例え出られたとしても、ツアーで生き残れる選手になることを目指している添田くんがチャレンジャーに出るという選択をすることは当分ないと思います。でも、まさか出られない時が来ようなんてつい半年前までは想像もできなかったし、そこまで登ってこれたことは、本当に感慨深いものがあります。
こんな風に、テニス選手としての添田くんをめぐる環境はこれから物理的に大きく変わっていくことになります。
今回は、それについて具体的に書いてみたいと思います。
【グランドスラム】
今シーズンこの先の試合で仮に1試合も勝てなかったとしてもシーズン終了時のポイントは715程度、現ランキングに当てはめると67位近辺となります。
つまり、シーズン終了時のランキングをもって全豪のエントリー締め切りとなるので、全豪までは確実にダイレクトインできることが決まっています。
ちなみに余談ですが、来年のローランギャロスのエントリー締め切りはおそらく4月15日。まぁありえない話ですが、万が一この日まで1試合も勝てなかったとして、その時点でのポイントは400程度です。ランキングで言うと130位台といったところですが、8ヶ月以上ポイントを一切重ねられなかったとしてもそんなところにいられるのだから、考えるととんでもないことです。。
【マスターズ1000】
これまで添田くんは何度かマスターズ1000の予選に出場していますが、予選もレベルが高いこのグレードでまだ本戦に上がったことはありません。でも、これも変わっていきます。
8月12日週のシンシナティは56ドローで今のランキングならダイレクトインできたのですが、来週のトロントと合わせて出場はしないようです。
その次のマスターズはジャパンオープン翌週にある56ドローの上海ですが、このエントリー締め切りは9月2日。この時点でのランキングは最低でも59位近辺です。シーズン後半のアジアシリーズは出場を回避するトップ選手もおり、去年のカットラインは65位だったので、現時点ですでにダイレクトインの期待ができます。
ツアー最終戦となる10月29日週のパリは去年のカットライン43位。もう少しランキングを上げないと本戦には入れないでしょうが、去年のこの時期のランキングでは予選に入れたかどうかという位置だったことを考えると、予選シードを期待できるというのは大きな進歩です。
【ツアー500】
次回のツアー500大会はジャパンオープンになります。
この大会には2005年から毎年出場していますが、2006年以降ずっと本戦ワイルドカードでの出場でした。
ところが、エントリー締め切りとなる8月26日のランキングは最低でも57位近辺。去年のカットラインは65位だったので、出場8年目にしてついに自力出場が見えてきました!!!
ワイルドカードであろうと自力出場であろうと、シードが付かない以上、1回戦からタフドローになってしまう可能性があることに変わりはありません。でも、自分の力で出場を果たせるかもしれないというのは色んな意味で感慨深いものがあります。
いくら日本人で2番手とはいえ、毎年毎年「出させてもらう」のと、自分の力で出場権を獲得するのとでは気持ち的にも変わってくるかもしれないし、個人的に一番嬉しいのは、その分浮いたワイルドカードを他の若手選手に回すことができるからです。
日本で唯一の男子ツアーなので、予選を含めてひとりでも多くの選手にトップ選手と対戦できる貴重な経験を積んで欲しいと思います。だから、毎年同じ選手がワイルドカードを独占し続けるのではなく、自力で出られるよう成長をしていって欲しい。それは添田くんに限らず、他の選手にも思うことです。まだダイレクトインが決まった訳ではありませんが、日本人選手派としては「添田くん、よくやった!。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。」と労いたい気分でいっぱいです。
その後には10月22日週にバーゼル(昨年のカットライン52位)、ヴァレンシア(同・43位)の2大会があります。
エントリー締め切りとなる9月16日付けのランキングは、最低でも57位近辺。現状ではいずれも届きませんが、レベルが少し下がるバーゼルであればあと少しでダイレクトインできるかもしれません。
【ツアー250】
他のグレードの大会に先んじて、一番大きな違いが出始めているのはツアー250と言えるでしょう。
6月のロンドン、先月のアトランタとシードも付きました。開催の規模やタイミングによってはこのようにシードが付くことが出てくるだろうし、また今ぐらいのランキングであればどの大会にも遜色なくダイレクトインができます。
去年ツアー初のベスト8入りを果たしたバンコク、去年の最終シード選手は43位でした。シード入りにはもう少しランキングを上げなければなりませんが、上位進出を狙うならば、体力的な負担を考えても予選からよりも本戦からの方が絶対にいい。
ちなみに、ファンとしての勝手な願望ですが、来年のシーズン開幕戦・チェンナイ(今年、自身初のツアーベスト4)では優勝を狙って欲しいと思っています。上位選手の調子が上がりきる前のシーズン初戦だからこそ、上位進出が期待できる大会です。ちなみに今年の最終シードは67位でした。同じ水準で考えると現時点ですでにシード入りが期待できます。
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応援する側にとって変わってくることとしては、すでに実感している人も多いかもしれませんが、ツアーに出るということはライブストリーミングで観られる機会が増えるということだと思います。
ライブスコアだといまいち力の入り具合が・・・という方も、ライストがあるとついつい見てしまう・・・ということは多いのではないでしょうか(笑)
言うまでもなく、このツアーで勝っていかなければ、たちまちランキングは下がってしまいます。
でも、オリンピックが終わった以降も、色々なことを新たなモチベーションにここで活躍してくれるはず!と果てしなく大きな期待をしています。
ライストもですが、ツアーでベスト8とかになってくるとテレビで
見られるのでかなり楽です。
今年の後半は毎回見られるように頑張ってもらいたいですね。
あたごやま
2012年8月11日 1:19 AM
ジャパンオープンにはたしか過去に一度だけ自力で出てるはずですよん♪まだAIGオープンの時代で64ドローだった頃、添田くんランキング100位台で初DA!2008年かな!?
この先どこまで上に行けるか楽しみだなぁ~(*´∇`*)
todogao
2012年8月11日 9:12 AM
今のレベルだと、もっと積極的に海外のツアーに出場してトップ選手との試合をこなさないと実力アップが図れないような気がしますが、ナショナルチームでのトレーニングは、後輩を育てると言う意味もあるのでしょう。
ジャパンオープンのチケット買いましたので、今から楽しみです。
サンマ
2012年8月12日 9:03 AM