大事なのは自分のゲームかな・・・な、ラオニッチ戦




ジャパンオープン1回戦 ミロシュ・ラオニッチ(11位/カナダ)との1回戦は、 4-6 6-7(0)で敗れました。

スコアだけ見ると善戦と取れるかもしれないし、この試合の見方は人によって全く違うものになるんだろうと思います。


実際見た上で私が思ったのは、ちょっともったいない試合だったなぁということです。

それは、勝てたかもしれないのに・・・というのとは少し違うのですが、ラオニッチというとどうしてもビッグサーブにばかり注目されがちで、それに屈したと感じる人が多いのではないかと思います。
結果としてそれが大きな要因であるとは私も思うのですが、今日のラオニッチはサーブの調子がよかったようで、しかも相手に圧倒的有利となるインドアコート。そういう環境の中で、彼のような選手を攻略できるのはジョコ・ナダル・マレーのビッグ3以外にいないと思います。


という中で、添田くんはサービスリターンにおいてベストを尽くしたと思います。

今日、ラオニッチに11回のサービスゲームとタイブレークで24本のエースを叩き込まれました。単純計算をすると1ゲームに2本です。
読めても当てることさえできないようなド級のサービスエースはどうしようもありませんが、それは誰が受けても同じようなものだと思います。
ファーストサーブが入らなかった時、かなりの割合でリターンができていたし、それもただ返すだけではなく、相手が少しでも打ちにくくなるよう、スピードを殺して深く返すということができていました。
そこからラリーになった時に、自分から簡単にミスをしてしまうポイントがいくつかありました。

せっかくのいいリターンを活かしきることができていなかったのと、サービスゲームでもやはり簡単なミスや決め球のミスなど、本当に勿体ないポイントがありました。


現実的ではない話ですが、もしそれらアンフォーストエラーがゼロだったとして、それで勝てたかというとまた話は違いますが、相手によりプレッシャーをかけられるところにまで行った時に、初めてどちらに転ぶか分からないタイブレークなどでよもやの展開を起こせるチャンスがあったかもしれないのです。

もちろんそういう勿体無いポイントをゼロにできる時など、よほどのゾーンに入った時でもないとあり得ないかもしれませんが、今日であればタイブレークの1ポイント目で簡単なボールをネットにひっかけてしまったような、そういう勿体無いポイントは惜しい負けの試合に必ずあるような気がします。
対戦相手に合った対策を練ってくるという意味では今日は完璧だったと思うので、だからこそ自分自身の常日頃の課題であるような局面での失点が本当にもったいなかったと思うのです。


尤も、それを克服するのが何よりも難しいのかもしれません。

ラオニッチの完璧なまでのサーブで霞んでしまいますが、添田くんのサーブも今日は非常に好調で、スピードだけではなくコースもよく、得意のストロークで自分のパターンに持ち込んでいくスタイルを堪能することができました。実際、添田くん自身サービスゲームのスタッツはかなりよかったと思います。

添田くんは足を動かしてラリーをする中でペースを掴んでいくタイプの選手なので、自分のゲームでいい形でそれができても、リターンになったら相手のサーブで何もできないままポイントを重ねられてしまうと、その自分の形が分断されてしまいます。
単純にものすごくやりにくい試合だったのではないかと思います。


添田くんがこの試合唯一ブレイクされた第1セット第3ゲームの直後、自身のサービスの立ち上がりに少してこずったラオニッチは安心したかのようなとんでもないサーブをどんどん打ち込んでくるようになりました。

個人的に長身ビッグサーバーは全く応援する気にならないのはほとんどサーブだけで決まってしまったテニスを見ている気になれないからで、今日は添田くんの試合だから必死に応援しましたが、一言で言ってしまうと今日はまぁ本当につまらない試合でした。


繰り返しになりますが、添田くんは出来ることをやったと思うし、去年のデ杯のカルロビッチ戦、今年のデルレイビーチのイズナー戦とツアーを代表するビッグサーバーと対戦を生かした戦い方はできていたと思います。

結局の課題は、時々訪れるミスの続くようなゲームできちんとホールドできること、ここぞの1本での集中力・・・いつもと同じなんだと思います。

今日の試合を観戦された方、どのようにこの試合を見ていましたか?


試合後の添田くんのコメントと詳しい試合の内容がTENNIS DAILYに乗っていたのでリンクを貼っておきます。
http://www.thetennisdaily.jp/news_detail.asp?idx=102814


そんな訳で、今年の添田くんのジャパンオープンは幕を閉じました。
あっという間に土曜日からは上海マスターズです。

上位選手の欠場により予選に繰り上がりで出場できることになりました。
今季ツアーとしては最終戦になると思います。

予選といえども50位台選手もいるような超激戦のラウンドです。厳しい戦いになると思いますが、全米以降、上位選手との試合が続いていますが、このところの好調ぶりがここで発揮できればと思います。




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コメント(3)

  1. 実は楽天初観戦でした。と言うよりATPツアー初観戦。ツアーレベルの選手達の試合をこれだけ生で観戦するのも初めてです。きっと会場の雰囲気の違いはあれど世界のどのツアー会場もこんな感じなんだろうなという思いで二日間通いました。
    なんというか、私はデ杯のあの高揚感が抜け切れず1人少しずれた感覚でこの個人戦を観ていた気がします。試合うんぬんより、あーこうやって皆世界をまわり、転戦し、移動し、戦い、また移動し、その国をあまり知ることなくまた次の国へ。選手達の日常に思いを馳せる事が少し観戦の邪魔になってしまったぐらいです。
    次の戦い、つぎのタイトル、次のポイント…
    引退する迄続くこのサイクルを維持する為、選手達はどうやって気持ちや体を維持、管理しているんだろう。勝ちたい、テニスが好きだから、それだけでは保ち切れない永遠に続く日常に何もかも投げ出したいと思う時は無いんだろうか?いや、きっとあるよな。もう、そんな、センチメンタルな感情捨てて試合を楽しめ!自分!というちょっとダメな観客になってしまっていました。
    添田くんはもうすぐに北京に発つんですね。
    どの選手もそうですが、こういうツアー生活の中でいかにプライベートを楽しみ、そこで精神のバランスを管理し、発散しコントロールするかが本当に重要なんじゃないのかなとおもいました。錦織くんの婚約?結婚?の話題がありますが、彼のようにプライベートを心身共に支えてくれる人がいるという事はすごく重要だと感じました。添田くんにも支え支えてくれる大切な人がいてほしい、いやいるべきだ、と強く思いながらセンターコートを去る彼の背中を見送っていました。
    という事で試合内容の感想とはかけ離れてしまいました…f^_^;

    teto

  2. あ、北京ではなく上海でしたね…失礼しましたm(__)m

    teto

  3. 勝つチャンスが見えた、手応えのあった良い試合だったと思います。個人的にはTENNIS DAILYさんと同じような感想です。ナイスマッチでしたよ!

    傍目には(素人目には)、一方的な圧倒された試合に見えたかもしれません。
    が、近年の日本テニスファンは目が肥えて来ています。会場の応援の雰囲気も、添田の出来が良い!と感じ勝機有り!、との雰囲気だった気がします。
    かつて、和製カルロビッチの松岡修造氏や鈴木貴男選手のようなビッグサーバーを応援してきた日本ファンにとっては、見慣れた試合展開です。これもテニスですよね。
    ビッグサーバーの強さや脆さも日本ファンは良く知ってます。

    とにかく、添田選手のサービスやサービスからの展開、リターンからの作戦がラオニッチ選手に通用する事が証明されたのは、大きな収穫でした!
    それゆえに添田選手も悔しさ倍増なのだと思います。

    みかん

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