錦織圭 def. 添田豪 4-6 6-4 6-3
私が添田くんのファンになったのが2009年春、以来4大会目にしてついに初めてセットを取ることができましたが、またしても勝利することはできませんでした。
今日は少し思ったことをつらつらと書いてみようと思います。
できるだけ言葉を選ぶよう努力はしますが、そこからどうしてもにじみ出てしまうものがあるかもしれません。予めお詫びしておきます。
今まで経験した生観戦の中で、これほど最低最悪な気分になったことはありません。
そして、こんな試合をもう二度経験することはないでしょう。
それはもちろん試合そのもののことではなく、会場の雰囲気に他なりません。
試合が始まってすぐ感じたことですが、どちらの選手に対してもほとんど応援がないんです。
センターコートに組まれる選手は程度の大小はあれどビッグネームや日本人選手の選手。こんなことはありえないでしょう。
もちろん、双方がいいラリーを繰り広げたりした後には大きな拍手が起こったりしましたが、あくまでも両者を称えるような雰囲気で、どちらかがピンチやチャンスを迎えれば等しく拍手が起こる。でも、なんというか全然応援しているように感じられない。
原因は日本人同士であったことに尽きると思います。
その雰囲気といったら、なんというか不気味を通り越してもう異様。
ホームで歓声を受けることで力となる選手、それをプレッシャーに感じて固くなってしまう選手、逆にアウェイで力を発揮する選手・・・色々いると思います。でも、今日の試合は一体なんと表現すればいいのでしょうか。語弊があるかもしれませんが、ふたりがまるで見世物のように感じて仕方がありませんでした。
試合前、日本では圧倒的に知名度で勝る錦織選手に明らかに応援が向けられることになるのだろうと予想していました。
ホームであるにも関わらず、相手選手への応援が圧倒的に多いのは選手にとっても複雑な気持ちになるんじゃないかと思います。
でも、幸か不幸か、添田くんは去年のナダル戦でそれを経験しています。何度経験しても慣れるものではないかもしれませんが、錦織選手の方が自分よりも人気があることは、日本を拠点にしていればある程度予想もできるだろうし、そういう想定もあったんじゃないかと思います。
でも実際は全く違っていて、ほとんどお通夜状態(笑)
片方の選手の応援をすることはもう片方の選手に対して失礼に当たる・・・それはきっと、日本人なりの配慮なんでしょうね。
でも、これは被害妄想かもしれませんが、それが逆に錦織選手への応援と期待の裏返しのように感じられて、本当にいたたまれなくて仕方がありませんでした。
だったらあからさまに錦織選手を応援してもらった方がまだ気も楽だったかもしれません(笑)
試合後のインタビュー記事を読みました。
錦織圭に敗れた添田豪「全てを出し切った」◇楽天ジャパン・オープン -テニス365
http://news.tennis365.net/news/today/201210/94724.html
同国選手同士が対戦することは、お互いのテニスをよく知っているからこそ、親しい仲であるほどやりにくいものだと思います。
その上、ATPツアーは日本では年にたった1回。日本のテニスファンから最大の注目を集めるこの大会でナンバー1とナンバー2の選手が1回戦で対戦する・・・こんなにイヤな試合は他にはないでしょう。
国のナンバー1である錦織選手にとって添田くんは絶対に負けてはならない相手で、はかり知れない大きなプレッシャーがあったと思います。
ナンバー2である添田くんにとっては、圧倒的な人気と期待を誇る錦織選手の勝利が望まれていることを受け入れて戦わなければならないという全く違ったプレッシャーがあったと思います。
試合が終わり、そこから「開放」されて本当によかったと思います。
添田くんにはもう二度とこんな試合を経験して欲しくないと思いました。
尤も、これ以上の試合などどこにも存在しないと思いますけど。。
錦織選手は膝を痛めながらも第2セットからよく立て直して素晴らしい集中力だったと思います。そして1ブレイクアップしていたファイナルセット、あとは自分がキープすれば勝てる試合で、自分をさらに鼓舞し勝利への執念とも感じられたアグレッシブなショットを何度も繰り出し、最後の最後で会場を沸かせて味方につけました。それがトップ20選手たる所以なのかもしれないし、錦織選手の凄さなんだろうと思います。
添田くんは第1セットのブレイク合戦を抜け出してよくセットを取ったと思うし、引き離されながらも第2セットで勝つ気持ちを捨てず素晴らしい粘りを見せてくれたと思います。
試合自体は本当に面白かったし、日本テニスの最高峰を充分堪能することができました。
今日はベストのテニスではなかったかもしれませんが、今の添田くんの全てを出し切ったものだったと思います。今日の頑張りを誇りに思っていいと思うし、ファンとしてこの試合のことを忘れずにいようと思います。
でも、今日のことは1日も早く忘れてしまいたいです。
来年こそはホームで大きな声援を受ける喜びを感じられる中でプレイさせてあげたいと思います。
WOWOWで観戦してましたが、確かに一人御通夜状態に近いもの
あったかもです。 私の場合は特定の選手のファンではなく日本人選手に頑張って欲しいって感じだからです。 若干マスコミ的に評価の低すぎる添田選手に肩入れしてましたけど。。。。
錦織選手のマッチポイントの時2回とも”頑張れ~~!!”って
叫んでたの ブログ主さんじゃなかったですか? なんかそんな気がしました。添田選手に言ってるなって。
インタビュー読んでも添田選手って大人ですね!
ろんろん
2012年10月3日 8:18 AM
昨日は私は添田選手を応援していましたが、隣にいた女性も添田ファンでした。どちらのファンも相手選手に申し訳ないと思ってしまったのでしょう。日本人的な優しさで、決して悪くはないことだと思います。
主催者は錦織選手に勝って欲しいでしょうが、添田選手にはこのような舞台を生かして絶対に勝つと言う信念を持って戦って欲しかったと思います。
サンマ
2012年10月3日 6:47 PM
ろんろんさん
それは私ではないですね。
なぜなら私が応援をする時はかならず名前を付けていたからです。
でないとどっちの応援か分からないし(笑)
例え圧倒的アウェイでも気にせず声を張り上げる方ですが、昨日はさすがの私にも憚られるものがあり、いつもの半分も声を出せませんでした。。
sabumasa
2012年10月3日 10:58 PM
初めて書き込みさせていただきます、てんてんと申す者です。
私もあの試合をWOWOWで見ていましたが、強烈な違和感がありました。
このブログに来ていう事でもないかと思いますが、自分は錦織ファンです。ですがあの試合の最終局面の時に、添田頑張れ!まだ行ける!という声援を聞けて何故か凄く安心しましたw
どっちにも肩入れしないように、というのは悪い感情ではないと思います。ですが、ファンの方が選手に気を遣うのはやっぱりおかしいですし、感情丸出しで応援してくれた方が、気持ちが良いものだと感じる試合でした。
てんてん
2012年10月4日 5:11 PM
こちらは添田選手情報確認でよく拝見していますが、コメントするのは初めてです。
楽天R1、wowow観戦しましたが、ほんとお通夜状態で異様でしたね。試合自体は選手が超緊張する中でも質の高いもので、日本人対決でツアーレベルの試合だったのでよかっただけに、あの雰囲気は残念でした。
テニスは個人競技で、日本人選手といっても持ち味やバックボーンも皆まるで違うので、日本人対決といっても自分のひいきの選手を堂々と応援するほうが、むしろフェアなんじゃないのって思います。そういう点でこちらのブログ主様の姿勢はすごく共感します。
(私自身は男子に関していえば錦織選手、守屋選手のファンで、添田選手は試合やっていれば結果が気になる程度なので…すみません)
添田選手、全米のフィッシュ戦でも思いましたが、完全にツアー選手の風格が出てきましたね。もうチャレンジャーは今度こそ卒業してほしいです。
Terrie
2012年10月4日 6:02 PM
現地で試合観戦しましたが、会場の雰囲気にびっくりでした。選手に対する応援の声かけは数えるほどでしたね。テニスの生観戦は先日のデビスカップが初で今回が2回目だったので、その違いにまたびっくりでした。もちろん国別対抗とは違うけれど、それぞれのファンの声援があるものと思ってましたから。とは言っても私自身もあの雰囲気の中、一人で観戦してて声を出す勇気もなく、どちらの声援でも声を出してくれた人に心の中で感謝していた程度です。年に1回の日本でのツアー戦。1回戦で敗退してしまった添田選手にとってはあの試合だけ。それだけにあの雰囲気は添田選手に申し訳ないし、添田ファンの私は来年こそ声を出して応援しようと強く思いました。
moekyo
2012年10月5日 9:31 AM
皆さんコメントありがとうございます!
最近どうも物事を悲観的に捉えてしまいがちで、暗〜い感じになりそうなので個別のレスは控えさせてください。
色んなものを吹き飛ばしてくれるのはやっぱり勝利ですね。
添田くんには残された時間が他の選手ほど長くはない。
来年こそは日本で最高のガッツポーズを見れたらなぁと思います。
sabumasa
2012年10月8日 2:00 AM